「生きててくれて良かった」。石川県輪島市海士町(あままち)で暮らす東野龍也さん(37)=益田市久城町出身=は、妻子5人が能登半島地震で被災した。発災時は家族を残して益田市に帰省中、向かった被災地で家族の無事を確認した。地震から3週間、被災地は変わり果て住居の確保や金銭面に不安が残る。先の生活はいまだに見通せていない。

「落ち着け!」。1日午後4時過ぎ、東野さんは気が動転している妻・綾乃さん(33)に、電話越しに声をかけた。結婚を機に10年前から輪島市内で暮らす東野さんは、実家のある益田市で無事を願った。
輪島市には妻と4人の子どもがいる。...