ラテンロックを開拓したギター奏者カルロス・サンタナは泣きのギターの名手として知られ、つかみの良いイントロが持ち味だ。子どもの頃に「哀愁のヨーロッパ」(1976年のアルバム「アミーゴ」に収録)を父に聴かされ、冒頭のフレーズ一発で好きになった。この5秒ほどに曲のエキスが濃縮されており、繰り返して聴きたくなる。

 邦題通り、哀愁漂う曲。終始ギターが切々と響く。スメタナの「モルダウ」に匹敵する切なさ。途中のキューンと伸びる泣きのギターもいい。タタラタタラ…というフレーズもいい。

 初期のラテンロックに回帰したこのアルバムは...