今春闘の集中回答日を迎え、自動車や電機大手は過去最高水準の賃上げで相次ぎ妥結した。人材獲得へ労働組合の要求を上回る異例の回答も続出。バブル崩壊後に染みついた守りの経営を転換する姿勢が目立った。一方、中小企業は大手との取引で値上げできず苦悩し、賃上げの余力に乏しい。春闘の動向を踏まえ、日銀が来週下す金融政策の判断も注目される。 

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人材確保へ初任給上げ続々 金融けん引 多業種波及 山陰両県企業

 従業員に奮起促す

 日本製鉄は、基本給を底上げするベースアップ(ベア)相当分が月額3万5千円と回答。労組の要求に5千円上乗せした。...