
ー 相次ぐ自然災害に対し、どのような対策をとっていますか。
中山間地域が多い島根県では土砂崩れや大雪などの備えが欠かせません。通信事業はほかのインフラ設備の制御に関わり、途絶えさせてはいけないのはもちろん、有事に備えて自治体、事業者との早期復旧のための情報連携を確立しておくことも重要です。
また通信設備の二重化を行い、片方が被災しても通信サービスが途絶えない対策も進めています。
ー 2023年12月に島根県警、山陰合同銀行と特殊詐欺被害の防止に向けた協定を結び、対策のサービスを提供しておられます。
特殊詐欺の件数が増え、未然に防ぐ仕組みが必要です。
録音機能付き専用装置と接続した電話機に詐欺が疑われる電話がかかってきた場合、人工知能(AI)が通話内容を解析し、必要に応じてお客さまの家族や銀行、警察に連絡が入る仕組みです。
サービス自体は全国で提供していますが、銀行や警察と情報連携して通報や注意喚起につなげているのは島根県が初めてです。

ー 島根県美郷町では、情報通信技術(ICT)を活用したまちづくりに取り組んでおられます。
美郷町はマイナンバーカードの普及率が高く、カードを使うことでサービスにデジタルを取り入れ、住民の暮らしがより便利になる事業を進めています。
公民館や学校にカードの読み取り機を設置し、児童の見守りに生かすほか、バスの乗車券にも利用できます。今後も協議会と住民の利便性向上と行政の効率化に向けてサービスに磨きをかけます。
ー 奥出雲町では、ICTをスポーツに活用した事業が進んでいます。
町技であるホッケーを国内外に発信するのが狙いです。
試合を自動撮影するAIカメラを競技場に設置し、アマチュアから社会人チームまで、数多くの試合をネット配信し、競技力向上やファン獲得、町の知名度向上につなげます。
今春に運用を始める予定ですが、練習から大会まで活用できるため、ほかのスポーツへの導入も含め、大きな可能性を秘めていると考えています。

私自身と重ねるわけではありませんが、一度「外」に出てほしい。外に出ないと島根の魅力や課題は見えてきにくいことを実感しています。
県外や海外で学び、身に付けた知識や技術、経験を地元で活かしてもらえたら理想的です。若い世代の皆さんには、自らの個性を大切に、小さくまとまることなく、失敗を恐れずに挑戦してほしいと願っています。
小田 晃弘=島根県奥出雲町出身(48歳) 2022年7月から現職。
趣味は料理とランニングとゴルフです。得意料理は味噌肉じゃがと特製カレー。手作り料理のおいしさはもちろんのこと、人に振る舞って喜ばれるのもうれしくて。今年は、ゴルフのスコアUPをめざして時間があれば練習に励んでます。
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