―円安や原材料費の高騰にどう対応していますか。

 2024年2月期(23年3月~24年2月)の売上高は、前期比並と見込んでいます。

 家庭用、業務用商品の売れ行きが堅調で、東アジアを中心とした輸出も前期比で1割増と通年で押し上げましたが、暖冬の影響を受けて、需要期にあたる冬期が厳しい状況にあります。

 原料のすり身は、円安に加え、産地によって資源減少を受けて価格の上昇も起きており、販売価格の値上げを段階的に行いました。

―国際的な認証MSC「海のエコラベル」を取得しました。

 もともと、浜田漁港の未利用魚を有効活用してました。東アジアを中心に輸出を手掛ける中、取引先から認証取得を勧められたのがきっかけです。

 23年に取得し、24年2、3月には、認証ラベルを付けた「サステナブル・シーフード」を3種類発売しました。

 ロングセラー商品を改良した「お魚ハンバーグ」「貝柱風味フライ」「かに風味フライ」です。

 海の資源を大切にする会社という理念を知ってもらうきっかけにしたいです。

 

―23年に東京都で開催された大規模展示会に参加されました。

 島根県の紹介を受け、輸出エキスポ(6月)とシーフードショー(8月)に出展しました。

 数百社の担当者と知り合うことができ、新規取引先となる可能性を感じています。

 売り上げのうち、海外を含めた島根県外が99%を占め、国内外の販路拡大は会社として重要です。継続的な参加を考えていきたいです。

 

―1907年に創業し、江津市の老舗企業として誇りを持って続けてこられました。原点はどこにありますか。

 江津市は原料調達地や都市部の消費地からは遠く、水産加工品製造の会社として有利な場所だとは言えません。

 しかし、長年、地域と働く人の支えがあって成り立っており、海外を含めた「外貨」を稼ぐこと、雇用を守ることが使命です。

 今後も地域貢献できる役割を果たし続けたいと思います。
 

 

 従業員の豊かなアイデアが商品化につながりやすいボトムアップ型の社風で、若い人が挑戦しやすい環境を整えています。

 人の話を素直で柔軟に受け止める考え方を持ち、積極的で貪欲に知識を吸収したい人を求めています。

 取引先が海外にもあり、グローバルな活躍ができる場を設けています。


 

 住田真一=島根県江津市出身(45歳)2013年に現職に就任。

 趣味は歴史の考察や小説の読書。

 特に歴史人物の考察は、最新研究に基づいた新たな解釈で従来の人物像と異なる姿を知り、それまでのイメージや常識が変わっていくのが魅力です。

 最近は、分国法の今川仮名目録を完成させた今川義元の統治能力の高さに驚きましたね。

若女食品(株)HP