
―2023年度に鳥取県内初となるAI(人工知能)搭載の新型MRIを導入しました。狙いを教えてください。
難治性であるすい臓がんなどの早期発見につなげたいと思い、1月から稼働させています。
全身のがん検査も可能です。MRIは放射線被ばくがなく検査時間も短い上、費用も安価というメリットがあります。
―22年度にはぜんそく・せきの専門外来を開設しました。
黄砂、PM2.5(微小粒子状物質)とぜんそくに関する研究はこれまでも日本をリードしてきました。
研究成果を生かし、環境因子を考慮したぜんそく・咳の診断、治療を提供できることが特徴です。

―22年10月には、国内外のトップアスリートも使用する最新のリハビリテーション器具を導入した山陰最大級のリハビリテーションセンターを設立し、美術館をモチーフにしたコミュニティーサロンも整備しました。
リハビリテーションセンターの利用は患者限定にしていましたが、地域の皆さまの声を受け、健康増進につなげるべく一般開放できればと思っています。
また、コミュニティーサロンは、園児、児童や生徒の作品発表、若手作家の展覧会などにも利用していただきました。
リハビリの傍ら、ゆったりとくつろいでいただけるスペースとして機能させていきます。

―これから地域にどのように貢献していくか、お考えを聞かせてください。
「健康寿命の延伸」「青少年のスポーツ活動の促進」「メディカルコミュニケーション」の3つのテーマを考えています。
街を豊かにするには、人々の活力が必要です。それらの活動からなる人々の交流が経済発展を生み出し、その結果が街を元気にしていくと思います。
その一翼を担いたいと考えています。また育児中の女性が安心して働くことができる環境づくりも大切と考え、学童保育の費用補助などにも取り組んでいきます。

当院は「医療を通じて新しい人の流れで元気な街づくりを目指す」ことをコンセプトにしています。
これはスポーツ増進やリハビリテーション、社会参加を通じて多くの人が活動性のある社会の構築の一助になればと考えており、若者の活力はその源と考えます。
同じコンセプトで力を貸してくださる方をお待ちしています。

藤瀬一臣=鳥取県境港市出身(51歳)兵庫医科大学卒、鳥取大学医学部整形外科学教室入局後、関連施設を経て、2009年より医療法人元町病院勤務。
2015年より同法人理事長に就任。
学生時代からロックバンドの活動をしており、現在も仲間が年1回は集まります。
休日は4人の子どもたちと一緒に過ごしています。
医療法人元町病院HP