
ー 社長就任から1年、最も力を入れられたことは何ですか。
人づくりです。特に若い世代と女性の活躍推進が重要だと考えており、まずは係長クラスや女性管理職対象の研修に取り組みました。女性が多くはない業種ですが、私たちが工事を担う公的施設や住まいは男女がともに使うものである以上、両方の感性が必要です。事務系に限らず、営業や施工現場でももっと女性を増やしたいと考えています。
1月にはデジタルトランスフォーメーション(DX)委員会を立ち上げ、業務の見直しにも着手しました。仕様書など工事内容を示した書類をペーパーレス化する仕組みを導入します。スピード感を持って、業務の効率化とよりよい働き方をかなえます。
ー これまでの「当たり前」を見直す社内の改革に挑んでおられます。
根本的なところに立ち返り、全ての業務に目的意識を取り戻したいと思います。例えば業務システムへの入力は、成果などを集計して正確に把握し、次の仕事に生かすのが目的です。このため、入力自体が目的化してはならない。日常業務の削減も含めて企業体質を変え、一人一人がより創造的な仕事をできるようにすることが必要です。
数十年続けてきた、各営業所で業務の制度を競い合う仕組みも、「成績のために手間をかける」という負担を取り除くために改革を断行しました。競わなくてもしっかりとした仕事ができると信じています。

ー 今後、中長期の目標を教えてください。
一つ目は、新分野の開拓です。脱炭素社会に向かう中、昨年に再生可能エネルギー推進室を新設しました。5人体制で、水素を活用した発電事業に取り組んでいます。実証事業にも携わって技術力を高め、将来地域に還元するための素地を作ります。
もう一つは、主力事業「住まいのおたすけ隊」の進化です。高齢化が進む中、当社の事業所ネットワークを生かし、地域に安心を提供できるような新サービスを検討中です。建設業、設備工事業という枠組みにとらわれない会社にしていきます。


いつの時代も新しいサービス、新しい分野を開拓してきたのは若い世代。企業の存在意義は若い人たちがチャレンジし、活躍できる場所を創ることです。
我々はこれからも地域に必要とされる企業であり続けるために挑戦を続けます。地域の未来創りに貢献したいという意欲溢れる若者がますます活躍できる地域社会をともに目指しましょう。

野津廣一=島根県松江市出身(54歳)2023年に現職に就任。
私は松江市の出身で学生時代を大阪で過ごしました。未来のエネルギー技術を研究する仕事に就きかけましたがなぜか迷いが生じ、方向転換し今の会社に入りました。社内では新しい部門の立ち上げや新事業の開拓に携わり、全国を駆け回ったことも。好物は「固定概念の打破」。












