島根県隠岐の島町で買い物に行きづらい世帯に生鮮食品や生活雑貨を届ける移動販売車が3月末で事業を終えた。高齢者の生活を維持しようと採算を度外視して事業を継続してきた運営会社は「万策が尽きた」と、苦渋の決断をした。利用者からは買い物難民化を懸念する声が上がる。
移動販売「らとこんた」は2017年5月から22年9月まで町内のNPO法人が、22年10月からは同町中町で保険業や自動車整備・販売を手掛ける前川商会が事業を展開してきた。町内には複数の大型スーパー、ドラッグストアがあるものの立地は旧西郷町に集中する。販売車は無店舗集落や店舗から遠い約150カ所の軒先や広場に大型車1台、軽自動車2台で週1、2回のペースで巡回した。
冷蔵や冷凍を含めた食品、介護用品、野菜の種まで多彩な商品を提供し、3台で...