三浦龍司選手が陸上の魅力を知ったのは、小中学生時代に通っていた浜田ジュニア陸上教室(浜田JAS)だった。子どもたちに幅広い種目を経験させることで、基礎的な運動能力を高める指導方針を取る同教室。ここでハードル種目の適性を見いだされた三浦選手は、当時は決してメジャー種目とは言えなかった3000メートル障害の道へ進んでいった。(小林竜大)

 <前編>三浦龍司選手の強さに迫る ㊤卓越した技術

浜田ジュニア陸上教室


 3月下旬の土曜日、汗ばむような陽気の中、浜田市陸上競技場に集まった子どもたちが、次々にテニスボールサイズのボールを投げ始める。ボールを投げ終わると、幅跳び、高跳び、短距離走に移る。浜田JASの多彩なメニューは、三浦選手が通っていたころと変わらない。世界と渡り合う才能はこの競技場で育まれた。

 今年1月に帰省した際に子どもたちと一緒に走る三浦龍司選手=浜田市黒川町、市陸上競技場前広場

 浜田JASは、幅広く運動能力を磨くため、小学1~3年時は全員にハードル、投てき、短距離などを一通り経験させ、4年からは自分の好きな種目の練習時間を増やせるシステムを取る。重視しているのは...