宙に舞ういぐり凧の祝い凧=島根県隠岐の島町栄町、町総合運動公園
宙に舞ういぐり凧の祝い凧=島根県隠岐の島町栄町、町総合運動公園

 【隠岐の島】子どもの成長を願って大きなたこを揚げる「第32回隠岐いぐり凧(だこ)祭り」が14日、島根県隠岐の島町栄町、町総合運動公園であった。2023年に生まれた72人の子どもの名前が書かれた祝いだこや学校、職場のたこが次々と揚げられた。

 

 「いぐり凧揚げ」は幕末の記録にその年の吉凶を占うための風習として記録がある。えぐったような10個の耳が変化して「いぐり凧」と呼ばれるようになった。祝いだこは縦2・7メートル、横2・4メートルの大型で、昨年11月から隠岐いぐり凧保存会(田上一安会長、11人)の会員らが計2枚を製作した。

 神事の後、風を読んだ会員がタイミングを見てたこを揚げると、竹の骨組みに張られたテープが振動して「ブーン」という独特の音が出た。今年は風が弱いため高くは上がらなかったが、集まった親子連れたちから歓声が上がった。

 餅まきの後、隠岐の島署や西郷小学校4年生など町内のチームによる「いぐり凧揚げ」もあった。10カ月の長男悠帆(ゆうほ)ちゃんを連れてたこを見守った同町平の会社員原田剛さん(34)は「末永く健康であってほしいという思いを込めた」と話した。

(鎌田剛)