焼却炉を視察する参加者

中海・宍道湖・大山圏域の未来を担う人材の育成を目指す「山陰まんなか未来創造塾」の第3回講座が15日、総合環境事業を手がける三光(本社・境港市昭和町、三輪昌輝社長)であった。約30人が受講し、時代の変化に対応しながら新たな挑戦を続ける三輪社長の成長戦略を学び、近くにある同社の廃棄物のリサイクル工場などを見学した。

以下の記事は、2024年2月15日(木)に開催された、令和5年度山陰まんなか未来創造塾の第3回先進企業視察セミナーの内容を採録したものです。


同社は1972年の創業で、従業員数は310人。山陰両県をはじめ、東京都や沖縄県など6都県に営業拠点を設置。境港、松江両市に4工場を構え、各工場で低濃度ポリ塩化ビフェニール(PCB)廃棄物や災害、医療廃棄物などの処理に対応している。

セミナーの様子

今回初めて企業の視察を加えたセミナーで、三輪社長は法規制強化や環境意識の高まりといった廃棄物処理業界を取り巻く状況を解説。今後のキーワードとしてSDGs(持続可能な開発目標)や温暖化対策事業などの5点を挙げ、「さまざまな要素を組み合わせ、ビジネスを創造することが大切」と持論を述べた。

廃棄物処理業界について説明する三輪昌輝社長

自身が目指す日本一面白い会社の実現に向けては「日本や地域で初めての取り組みを何個持っているかが大事」と説明。同社では鳥取初の民間焼却炉の設置や、汚泥を燃料として活用できるよう炭化処理する事業、業界初のJクレジット取得などを展開し、「今後も面白いことに挑戦していきたい」と意気込んだ。

排熱を利用した陸上養殖について説明を受ける参加者

参加者はセミナー後、近くの工場に移動し、廃棄物の焼却処理やリサイクル品を製造する流れを視察。焼却時の排熱を海水の加温に活用してキジハタや海ぷち(フサイワヅタ=海ぶどうの一種)を育てる陸上養殖の様子も見学し、環境ビジネスのヒントを学んだ。

排熱を利用して育てる海ぷち
第1回セミナーの記事はこちらから
出雲市の湖陵に「崖の中のホテル」をオープンした、株式会社バルニバービの佐藤裕久代表取締役会長CEO兼CCOの講演・ワークショップを開催した。
第2回先進企業視察セミナーの記事はこちらから
一畑電車株式会社に訪問し、野津昌巳営業課長が、事業内容の紹介や独自の取組みについて講演。その後、社内見学、体験運転を実施した。


山陰まんなか未来創造塾 
毎年、中海・宍道湖・大山圏域の企業・団体・自治体の中堅社員・職員等を対象にした合同セミナーを開催しています。多彩な分野から講師を招き、受講生がさまざまな経験・理論を学ぶことで視野を広げ、企画力・創造力を磨いてもらうとともに、相互の連携意識の醸成、人的交流の推進を図っています。