バリアフリーが完了した境内を紹介する錦田剛志宮司=出雲市斐川町併川、万九千神社
バリアフリーが完了した境内を紹介する錦田剛志宮司=出雲市斐川町併川、万九千神社

 旧暦10月の「神在月」に、出雲に集まった八百万(やおよろず)の神々がうたげの直会(なおらい)を催すとされる万九千神社(出雲市斐川町併川)が、境内をバリアフリーにした。4日に地酒と食が楽しめる春祭り「大なほらひ」が開かれる予定で、錦田剛志宮司(54)は「気軽に来て楽しんでほしい」と呼びかけている。

 神社は周辺で宅地化が急速に進む中、寄付金を元手に2019年に神社周辺の環境整備を始めた。

 社殿東側に神等去出(からさで)広場を整備し、休憩用のあずまやを設けた。南側の参道と並木も整えた。

 境内はもともとほとんどが砂地で、雨や雪の日に車いすの車輪が泥にはまったり、地面でつまずいて転ぶ人がいたりと、安全に参拝できる環境ではなかったという。石畳を敷き、周辺には街灯を10基設置。4月下旬に完成した。

 錦田宮司は「これまで参拝で不便をおかけすることがあった。安心して参拝してほしい」と話した。

 春祭りは16年に復活したものの、新型コロナウイルス禍で中断。4年ぶりに開かれた23年に続いて開催する。

 地元の有志24人でつくる実行委員会が企画。4日午前10時からの神事に続き、鏡開きが行われるほか、出雲の4蔵元の新酒が振る舞われ、出雲そばや焼きそば、かき氷など13店が出店する。出雲神楽の公演やマジック、バルーンアートのショーもある。問い合わせは同神社、電話番号0853(72)9412。

(黒沢悠太)