熱中症は、高温や高湿度で体内の水分、塩分バランスが崩れ、めまいや吐き気、意識障害を引き起こす。近年は「災害級」と呼ばれる暑さが続き、救急搬送者は右肩上がりで、年に千人以上が命を落としている。国は新たに「特別警戒」の呼びかけを導入。今夏も人命に関わる高温が予想されている。
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「命の危険がある暑さ。一つの災害と認識している」。埼玉県熊谷市で41.1度を記録した2018年7月23日、気象庁が会見で熱中症予防を呼びかけた表現は、同年の流行語に選ばれた。その後も国内の気温は上昇傾向が続き、23年夏(6~8月)の平均気温は1898年の統計開始以来最高を更新した。
気温の上昇に伴う熱中症患者の増加はデータにも表れている。総務省消防庁の集計で、熱中症による救急搬送者数は...