松江市は「夢を実現できるまち 誇れるまち 松江」をめざし、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けた取り組みを進めています。「住み続けられるまちづくり」「海の豊かさを守ろう」といったSDGsの17の目標を確認し、私たちに身近な取り組みを共有する機会として、3月20日に松江テルサ(松江市朝日町)でシンポジウムを開催しました。

 

パネルディスカッション 


「水の都とSDGs」をテーマにしたパネルディスカッションでは、上定昭仁市長、松江市SDGsアドバイザー、市内の中・高校生が活発な意見交換を行いました。
(※肩書、学年は開催当時のもの)

「水の都 松江の魅力」

松江市SDGsアドバイザー松本一郎  島根大学教授

松本氏 SDGsを推進している松江市は、「水の都」として豊かな自然環境を育んでいます。皆さんは「水の都」と聞いて何をイメージしますか。

川久保氏 宍道湖の夕日はとてもきれいで感動しました。宍道湖で採れるシジミもおいしく、自然に恵まれていることを実感します。水と市民の距離がとても近いですね。

村上氏 エンジンを電動化した堀川遊覧船に乗りました。とても静かな分さらに水が近く感じられます。また、掃除が行き届いていて、きれいなお堀を守り遊覧する方をもてなしたいという沿川の皆さんの思いが伝わってきます。

皆美が丘女子高の皆さん

皆美が丘女子高2年・西田里緒さん 小学生のとき水質調査の授業を通して、松江の水を身近に感じたことを覚えています。

上定市長 現在、宍道湖の護岸工事や大橋川を拡幅する工事が実施されていますが、それに合わせて宍道湖沿いの千鳥南公園にこどもたちが遊べる親水スペースを設ける予定です。松江の水辺が、気軽に憩い・集い・楽しめる場所になって、「水の都」で生まれ育ったと自慢できるまちになることをめざしています。

松江市SDGsアドバイザー川久保俊  法政大学教授

川久保氏 水辺のまちが発展することは、世界4大文明がいずれも大河近郊で生まれた事実からもわかります。松江も日本の悠久の歴史を語るうえで重要な場所です。SDGsの観点から見ても、豊かな自然環境を背景に強固な社会基盤が生まれ、強い経済が成り立ちます。水辺を守り続けたからこそ松江の繁栄があったはずで、そうした魅力をもっとPRすると良いでしょうね。

村上氏 環境を守ることの価値が高まっています。たとえば、民間企業が収益確保だけでなく環境保全に貢献して世の中から尊敬されることで、優秀な人材が集まります。人材不足が深刻化する中で、先行する松江市のSDGsの取り組みに期待します。

「多くの人を巻き込む」


松本氏 SDGsをまちづくりに生かすコツは何でしょうか。
 

村上芽 日本総合研究所 創発戦略センターエクスパート

村上氏 いろんな人の意見がミックスされる環境をつくることが大切です。学校でも仕事でも、自分とは異なる意見を持った人と交わることで、さまざまな気づきが生まれます。

川久保氏 まちづくりがうまくいっている自治体は、市民とのパートナーシップを大事にしています。まちづくりのビジョンを、市役所やコンサルティング会社だけでつくる自治体はうまくいきません。地元の企業や学生などの意見を吸い上げてつくった計画であれば、地域に浸透しやすいはずです。

松徳学院中学高校の皆さん

松徳学院中3年・目次遼太さん 若い人が積極的に取り組むことが大事だと思います。私たちも年上の世代に任せるのではなく、主体的にまちづくりやSDGsに協力したいです。

上定昭仁 松江市長

上定市長 住みよいまちをつくるために、SDGsを道しるべにするととてもわかりやすいです。何ができるかなと考えるだけでなく、実際に行動してみて「良かったな」「楽しいな」と感じられるSDGsの取り組みを重ねていきたいですね。

松本氏 SDGsの理念に「包摂的」という言葉があります。社会を持続させるためにだれ一人取り残さないという意味です。また「レジリエンス」というキーワードもあって、強靱(きょうじん)性、復元する力という意味を持ちます。ときに自然災害などの難局が訪れますが、みんなが一丸となって打ち勝ち乗り越えることが重要です。SDGsをキーワードにして、新たな時代を切り拓いていきましょう。

ロゴマークの決定

 松江市のオリジナルSDGsロゴマークが決定しました!

 松江市は、SDGsに積極的に取り組むまちとして、令和5年度に内閣府から「SDGs未来都市」と「自治体SDGsモデル事業」にダブル選定されました。

 これを契機に、“オール松江市”でSDGsを推進するためのオリジナルロゴマークを公募し、全国から寄せられた147件の応募作品の中から、宮木佑衣さん(尾道市)の作品を最優秀賞として採用しました。このロゴマークをシンボルに、「水の都 松江」の特長を生かしたSDGsの達成をめざしてまいります。

(提供:松江市)