絲原家の美術工芸品を紹介する絲原記念館(島根県奥出雲町大谷)で夏季企画展が開かれ、同家に伝わる掛け軸やふすま絵が来場者の関心を集めている。9月1日まで。
絲原家には松江藩・松平家から贈られた品や、文人墨客をもてなすための書画や器など、多くの名品が残されている。
江戸時代の画家・長沢蘆雪のふすま絵「芭蕉(ばしょう)図」はふすま4枚にバショウを大胆に描く。根本の付近には無数のアリや色の付いたスズメを配置するなど細やかな芸が施されている。
田能村直入の「鬼の舌震図画帳」(明治時代)は渓流が緻密な筆遣いで描かれており涼感を誘う。
絲原丈嗣(たけし)副館長は「歴代の当主が夏に鑑賞して楽しんだ作品を並べた。涼しさを感じてほしい」と話した。
入館料は一般650円、高校・大学生450円、小・中学生250円。午前9時~午後5時。会期中無休。 (山本泰平)