暑熱対策でサングラスを着用する警察官=松江市比津町
暑熱対策でサングラスを着用する警察官=松江市比津町
コンビニで購入した商品で水分補給する警察官=松江市比津町
コンビニで購入した商品で水分補給する警察官=松江市比津町
暑熱対策でサングラスを着用する警察官=松江市比津町
コンビニで購入した商品で水分補給する警察官=松江市比津町

 島根県警は日差しから目を守るため、勤務中の警察官のサングラス着用を認める通達を初めて出した。これまで明確な禁止規定はなかったが「威圧感がある」との誤解を招く恐れがあり、慣例的に着用していなかった。今後、『西部警察』や『あぶない刑事』でおなじみのサングラス姿の警察官が巡回する。併せて暑さ対策の一環で、制服姿のままコンビニでの飲料水購入をあらためてルール化した。

 6月下旬、サングラスを着用してバイクにまたがった松江署比津交番所長の七海大輝警部補が松江市内のコンビニに現れた。ヘルメットとサングラスを外して店内に入り、スポーツ飲料を手にしてレジへ。応対した店員に「特殊詐欺が増加しています。お客さんへの声かけをお願いします」と呼びかけた。

 警察庁は今春、県警本部に暑さ対策などを求める通達を出した。全国では熱中症で体調不良になる警察官が出ているという。

 サングラス装着は、強烈な照り返しによる目の健康被害を防ぐのが狙いだ。屋外で活動する全職員が対象で、所属長の承認を得た上で職員が購入した私物を使う。使用はパトロールなど日中の街頭活動時に限り、県民と接する際は外す。

 コンビニでの飲料水購入はかねて認めており、定期的に警察官が巡回していたが、あらためて組織として取り組む。暑さ対策に加えて、「見せるパトロール」で電子マネーによる特殊詐欺被害や万引を防ぐ狙いがある。

コンビニで購入した商品で水分補給する警察官=松江市比津町


 コンビニでの買い物を巡っては、市民に「職務怠慢では」と思われないよう巡回中は控え、上着を羽織る警察官がいた。七海警部補も制服姿でのコンビニ入店は客が驚くため、気を使っていたといい「ルールが明確になれば店舗に立ち寄りやすくなり、暑い日でも効率的に活動できる」と述べた。

 交番や駐在所に勤務する警察官は、鉄板入りの防刃チョッキを着用するケースが多い。無線機なども装備しなければならず、体力の消耗は大きいという。警務課企画室の岩崎健室長は「重装備の警察官には適切な暑熱対策が必要。警察官が働きやすくなれば、結果として県民の安心安全につながる」と理解を求めた。

(松本ひろ)