上野訓生署長(右)から感謝状を受け取る榎並孝亮さん=島根県隠岐の島町西町、隠岐の島署
上野訓生署長(右)から感謝状を受け取る榎並孝亮さん=島根県隠岐の島町西町、隠岐の島署

 【隠岐の島】隠岐の島署は11日、電子マネーカードを購入しようとした客の詐欺被害を未然に防いだとして、ドラッグストア店員の男性に感謝状を贈った。

 感謝状を受けたのはウェルネス西郷店(島根県隠岐の島町西町)の店員だった榎並(えなみ)孝亮さん(25)。

 榎並さんは6月15日午前、電子マネーカード3枚、計4千円分を購入した町内の60代女性に声をかけて詐欺被害を防いだ。

 女性は5月、スマートフォンに届いたメールをきっかけに芸能人男性を名乗る人物とメールのやりとりを始めた。「余命が少なく、遺産相続をしてほしい」と持ちかけられ、メールを続けるには「ポイントが必要」とカードの購入を促されていたという。

 榎並さんは「複数のカードを購入するのはおかしいと思い、覚悟を決めて声をかけた」といい、芸能人との関係を信じ込んだ女性をなだめて同署へ通報した。

 上野訓生署長は「止めないと大きな被害になる恐れがあった」と感謝した。今月、山口県岩国市の店舗へ異動した榎並さんは「これからもお客さまに寄り添いたい」と話した。(鎌田剛)