今年は荒神谷遺跡(出雲市斐川町神庭)で弥生時代の大量の銅剣が発見されてから40年に当たるのを記念し、出雲市大社町杵築東の島根県立古代出雲歴史博物館で12日、出雲の弥生文化を紹介する企画展が始まった。稲作や狩猟道具、住居の建築材など資料約530点が並び、来場者は当時の暮らしを想像しながら鑑賞している。9月8日まで。
荒神谷と同時代の西川津遺跡(松江市西川津町)で発掘された石包丁や獣骨製の釣り針、食器類などから生活を紹介。下坂本清合(しもさかもとせいごう)遺跡(鳥取市気高町)の焼失した住居跡や、山持(ざんもち)遺跡(出雲市西林木町)の掘立柱建物の基礎部分からは住まいの様子がうかがえる。
出雲にもたらされた漆塗りの木製品やガラス製勾玉(まがたま)など装飾性の高い展示品からは、出雲が広域交流の拠点であったことが伝わる。
弥生文化を俯瞰(ふかん)した企画展で、担当の東森晋専門研究員(51)は「大量の青銅器が埋められた、荒神谷の特殊性を考えるヒントになると思う」と語る。夫婦で訪れた千葉県佐倉市の自営業山口隆司さん(66)は日本史の元高校教師で、「教科書にも載っている銅剣を見たくて初めて来た。弥生時代の社会にますます興味が湧いた」と話した。
午前9時~午後6時(入館午後5時半まで)。観覧料は一般700円、大学生400円、小中高生200円。16日、8月6、20日、9月3日休館。
(佐藤一司)