記録的大雨で出雲市大社町日御碕地区と市街地をつなぐ唯一の県道が崩落し、16日で1週間が経過した。仮設道路設置の見通しは立っていないが、学校に通えなかった地区内の小中学生が登校を再開し、17日に可燃ごみの臨時収集が始まるなど、日常を取り戻す動きが少しずつ出始めている。
日御碕地区には235世帯548人が暮らす。崩落地点は出雲市街地から日御碕に向かう途中の県道で、集落までは約4キロ離れている。現場付近の私有地を歩いて迂回(うかい)できる。
スクールバスを利用していた地区内の小中学生22人は県道の崩落で学校に通えなかったが、この日から市教育委員会がバスの運行を始めた。小学校の終業式がある19日まで登下校時に走らせる。
この日は午前7時過ぎ、児童生徒16人が崩落現場から地区側にあるバス停に集まり、市教委職員の引率で迂回路を約200メートル歩いて市街地側に抜け、待機するバスに乗り込んだ。
小中学生4人を育てる平等朋子さん(43)は「受験生がいるので対応してくれてよかった」と喜んだ。大社小5年の平等咲帆さん(11)は「友達と遊べなくてさみしかったけど、学校に行けるのでうれしい」、大社中2年の石飛茉紘さん(13)は「授業だけでなく、吹奏楽部の練習も楽しみ」と笑顔で話した。(佐藤一司、新藤正春)