過疎地域の課題解決を学ぼうと、韓国の大学教授や農村で地域づくりに取り組むリーダーら26人がこのほど、島根県の安来、雲南両市や邑南町を視察した。
韓国では首都ソウルへの人口一極集中により農村の過疎化が深刻。地域おこしに取り組む島根県の事例を参考にしようと、5日間の日程で地域の活動拠点の交流センターなどを見学した。中山間地域の課題を研究する島根大・寧夏大国際共同研究所が視察を受け入れた。
県の「小さな拠点づくり」モデル事業に取り組む安来市広瀬町の比田地区などを視察。地域活性化プロジェクトを実行する地域おこし会社「えーひだカンパニー」(安来市広瀬町梶福留)の取り組みについて聞いた。
地域の足となるデマンド交通や地元産・比田米のブランド化など、自立した地域づくりのための自治機能と、財源を生み出す生産機能の両輪を意識した例が紹介された。視察団はメモを取りながら真剣に聞いた。
地元産の野菜や食品を販売する市場も訪れ、地域の魅力を生かして活性化させる方法も学んだ。
地方行政を専門とする大学教授の黄宗圭(ファンゾンギュ)視察団長(61)は「民間企業が生活サービスを直接提供しているところに感動した。この方法は韓国の小さい村でも生かせそうだ」と話した。 (小引久実)