林床に落ちる木漏れ日を描いた「モリヲアルクⅠ」などの作品を見るスタッフ=鳥取県南部町下中谷、祐生出会いの館
林床に落ちる木漏れ日を描いた「モリヲアルクⅠ」などの作品を見るスタッフ=鳥取県南部町下中谷、祐生出会いの館

 鳥取県南部町出身の孔版画家・板祐生(1889~1956年)の記念館、祐生出会いの館(南部町下中谷)で、祐生の嫡孫、板泰司さん(62)の絵画展「ひだまりのうた」が開かれている。木漏れ日の柔らかな光をテーマにした水彩画など47点が展示され、来館者を魅了している。9月9日まで。

 泰司さんは祐生の養子の息子で、2~5歳の間を同町徳長の祐生の家で過ごした。埼玉県の県立中学校で美術教員を務め、2023年に定年退職。教員時代から年に数回、東京都などの画廊の絵画展に作品を出品し、退職後も精力的に活動している。

 泰司さんの表現には幼少期を過ごした南部町への郷愁があるといい、自然と光をテーマとした作品に定評がある。

 「モリヲアルク1」は縦109・1センチ、横78・8センチの画用紙にアクリル絵の具で林床に落ちる木漏れ日を描いた。下草や土の質感まで細かく描写し、光の暖かさや森に響く鳥のさえずりを感じさせる。

 中尾慶治郎副館長は「植物を通して季節ごとに変わる光の表現を楽しんでほしい」と呼びかけた。

 午前9時~午後5時。火曜休館。入館料は一般300円、高校・大学生は200円、中学生以下は無料。

(中村和磨)