鳥取県南部町出身の孔版画家・板祐生(1889~1956年)が収集した浮世絵の企画展が、同町下中谷の祐生出会いの館で開かれている。歌舞伎の一場面を切り取った役者絵など江戸-明治期の129点を展示し、来場者の関心を集めている。7月29日まで。
江戸後期に随一の人気を誇った浮世絵師・歌川国貞の一枚は向かい合って見えを切る役者2人を描いた。色鮮やかな衣装が迫力豊かな場面に映え目を引く。
祐生は美術品や玩具などの収集家として知られ、展示される浮世絵は1900年代に知人などから譲り受けたもの。浮世絵文化が花開いた江戸時代中期から、衰退した明治期にかけての作品を集め、歌川広重や鳥居清長ら絵師たちの画風の変遷を知ることができる。中尾慶治郎副館長は「当時の人の気持ちになって楽しんでほしい」と話した。
午前9時~午後5時。火曜休館。入館料は一般300円、高校・大学生200円、中学生以下は無料。(中村和磨)