鳥取市は13日、市内の医療機関による新型コロナウイルスのワクチン接種で、12人に対し、低濃度や適正に保存されていないワクチンの誤接種があったと発表した。健康被害の報告はないという。
市によると誤接種は9日、市内の医療機関と、同医療機関が訪問接種した高齢者施設であった。
原液が入った瓶に生理食塩水を加えて薄め、接種する手順だったが、誤って使用済みの1瓶(6人分)に生理食塩水を入れて使ったという。使用前と使用済みの瓶を区分していなかった。用意したワクチンが余ったため誤りに気付いた。
また、米ファイザー製のワクチンは冷蔵庫から出した後、2時間以内に薄める必要があるが、今回、冷蔵庫から出した1瓶を再び冷蔵庫に戻し、約5時後に薄めて使っていた。2時間を超えた場合は本来、使用できないという。
誤接種は2瓶分の計12人だが、特定できないため、同じ時間帯に接種した66人に抗体検査を実施し、抗体ができてない人には再接種する予定。
医療機関側から12日に報告があり、詳細な追加報告を求めていた。市はワクチン接種を行う市内の97の医療機関に情報提供し、ワクチンの取り扱いに関する注意喚起を行うとしている。 (福間崇広)