「今年の流行語大賞『大社』入りこんできそうな勢い」。自身のXでこうつづったのは、高校野球大好き芸人として知られる松竹芸能のかみじょうたけしさん(46)だ。かみじょうさんは昨年7月に著書「野球の子 盟友」(二見書房)で、2003年春の甲子園に出場した隠岐高校のエースと監督のエピソードを取り上げた。著書の取材でつながりのあるかみじょうさんに連絡をとると、大社の快進撃に高校野球の魅力を感じたという。
(聞き手は報道部・黒崎真依)
ー大社が快進撃を続けていますよ
「初戦で報徳学園という2大会連続で春の選抜大会準優勝の力ある学校を倒して勢いに乗っているなと思っていました」

ー大社-早実の試合も観戦されたようですね
「よく勝ったな、と思いました。最初に1点取ったけど追いつかれて、七回にセンターの藤原(佑)君が後逸してランナーが返ってきた時は、正直『(大社の)負けゲーム』かなと、後半厳しそうだと感じました」
ー藤原選手は快足の打者で守備範囲も広い中心選手です
「藤原君は島根大会で打率6割以上もあって、盗塁も12個と、チームの盗塁数か?ってぐらい走っていた。初戦で当たった報徳学園もこの選手を止めないとというのがあった。その選手が失策をしたというのは、大社としても影響はあったと思います」

ーそれでも九回に追いつきました
「失策から投手の馬庭(優太)君の熱投で、藤原君のミスをみんなでカバーした。本当に高校野球があるべき姿というか、活躍する人が活躍して勝ったのももちろんいいですが、中心選手がミスした後に仲間でカバーして勝つというのは改めて『高校野球いいな』と思いました」

ー大社の強みはどこにあると感じますか
「相手が強豪でも臆することなく立ち向かうのがすごい。出場回数とか、全国制覇経験校にも立ち向かっていく気持ちがプレーにつながっていると思います。それに、アルプスの応援もすごい」
ーXでも「3回戦第4試合のスタンドではない…」とアルプスの写真を投稿されていましたね
「早実も大社も応援がすごかった。大社のサウスポーが流れるときは、もはや恐怖すら感じました。曲が流れる前に応援している人みんなが『わー!』と声を上げる。相手は嫌だと思いますよ(笑)。去年優勝した慶応を思い出しました」

ー最後まで応援の勢いもありました
「タイブレークのグラウンド整備中、大社コールがあがり、両アルプスから負けられないと、歓声が聞こえた。西宮市の運動会かと思いました(笑)あんな光景見たことないです。アルプスが一体となっていました」
ーXで「今年の流行語大賞『大社』入りこんできそうな勢い」と投稿していました
「勢いが止まらないなと。『大社旋風』とかなんかいい言葉ないですかね。神がかり的な勝ち方をずっとしていますよね。出雲の神様、みんな甲子園に来てるんじゃないですか(笑)」
ー次戦の神村学園(鹿児島)の印象は
「去年の夏ベスト4の選手がたくさん残っている。よく知っている選手ばかり。打線もいい。エースの今村(拓未)君も3回戦は投げていないので万全でくると思います」

ー大社の戦い方は
「かなり厳しい戦いになると思います。打ち合いになれば特に。何とか中盤まで2点くらいのロースコアゲームで、リードされても3点ですかね。後半に応援の力を借りて、追い上げができるかでしょうか。失礼ながらこれまでの成績だけを見ると『格上』ですから。それでもこれまで勝ち上がってきたことは自信になっていると思います」
ー大社ナインに送るメッセージをお願いします
「皆さんにはアルプスの大声援が側にいます。苦しい事を乗り越えてきた仲間たちと甲子園を大いに楽しんできてください!」