日本人戦犯の赦免に尽くした加納莞蕾
日本人戦犯の赦免に尽くした加納莞蕾

 平和への願いを込めた特別講座「戦争を語り継ぐ」が24日、松江市殿町の山陰中央新報社文化センター松江教室で始まる。フィリピンの日本人戦犯赦免に尽力した加納莞(かん)蕾(らい)や『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』で知られる山本幡男、各地に残る戦争遺跡などをテーマに13人の講師が研究成果や思いを語る。

 来年4月まで4期に分け、隔週火曜日に開く。本紙文化面で5~8月に連載した「山陰の戦争遺跡と平和への願い」の執筆者らが講師を務める。

 講座は、いずれも午後1時半~3時。受講料は1~3期は各6600円、4期は8800円。問い合わせ、申し込みは松江教室、電話0852(32)3456、フリーダイヤル(0120)079123。

 日程、講師、演題(仮題含む)は次の通り。

 【1期】24日=加納佳世子(安来市加納美術館名誉館長)「今こそ、世界平和を 加納莞蕾に学ぶ平和思想」▽10月8日=大原歳之(美保関沖事件慰霊の会副会長)「郷土史としての美保関沖事件~地域の戦争遺跡、水中文化遺産の保全という視点から~」▽同22日=中村唯史(NPO法人石見銀山協働会議理事長)「知られざる近代軍事遺構~三瓶原演習場~」

 【2期】11月12日=岡田昌平(山本幡男を顕彰する会会長)「山本幡男に学ぶこと」▽同26日=山根正明(島根県中世史研究会世話人)「湖岸の二つの水上機基地と八月十七日の出撃」▽12月10日=花谷浩(出雲弥生の森博物館館長)「出雲に残る戦争記念碑」

 【3期】1月14日=若槻真治(戦後史会議・松江世話人代表)「大社基地の何が重要なのか」▽同28日=高塚久司(島根県における空襲とその時代、探求人。)「昭和戦前期における島根県の防空監視について」▽2月25日=有馬誉夫(元島根観光学会会長)「戦時体制支えた招魂祭」

 【4期】3月11日=高嶋敏展(写真家)「忘れられた戦争を写真でめぐる」▽同25日=西尾克己(大田市文化財保護審議会委員)「島根の西南戦争記念碑」▽4月8日=石原美和(フリーアナウンサー)「朗読で伝える」▽同22日=板垣貴志(島根大准教授)「島根県内の戦争体験を継承する意義と可能性」