大田市温泉津町西田地区で7日、実りの秋を伝える風物詩の稲はで「ヨズクハデ」がお目見えした。
はで木を四角すいに組み、風に強い上に場所を取らず多くの稲を干せるのが特長。製作技術が国の無形民俗文化財に指定されており、地元の西田ヨズクハデ保存会が、酒米・酒造りの体験グループ「酒仙蔵人・五郎之会」と協力し、毎年数基を作って技術を継承している。
今年は保存会の7人を含む40人が参加。黄金に実った酒米を手刈りした後、4本のはで木と2本の竹を使い、高さ5メートル、幅4メートルの大きさに組み上げた。はで木が交差する頂上部はつる植物のかずらをひもに使うことでより頑丈に結べるといい、先人の技術に触れながら作業を進め、稲束約400個を干した。
はで干しは9月下旬まで。保存会の中井秀三会長(79)は「山間部の小規模の田んぼでも建てることができる。後継者の問題はあるが、先人の知恵が詰まった技術で次の世代に残したい」と話した。
(勝部浩文)