記者会見する田辺洋範会長=米子市車尾、どらドラパーク米子市民球場
記者会見する田辺洋範会長=米子市車尾、どらドラパーク米子市民球場

 鳥取県高校野球連盟は19日、新型コロナウイルス感染に絡んで第103回全国高校野球選手権鳥取大会の出場を辞退した米子松蔭高校について、出場容認を決めた。辞退したチームの出場容認は異例の判断。初戦の2回戦不戦敗は取り消し、21日に当初の相手・境高校と対戦する。

 県がPCR検査や調査を進め、校内に広がりがなく野球部に濃厚接触者がいないと判断し臨時休校解除を認めたのを踏まえた。一度は辞退を決めた米子松蔭高が救済を求め、出場を願う声が全国から寄せられたことも考慮した。境高校にも伝え、了承を得たという。

 19日にどらドラパーク米子市民球場(米子市車尾)で会見した県高野連の田辺洋範会長(56)=米子東高校長=は「多くの反響があり、いろんな人、関係機関に迷惑を掛けた」と陳謝した。米子松蔭高の長崎成輝校長も米子市二本木の学校で会見し「関係機関、高野連に感謝する。いただいた機会を大切に使って試合に臨みたい」と述べた。

 対戦する境高の金谷範光野球部長は「気の毒だと思っていた。やり直しが決まれば受けようと監督と話していた」と受け止めた。

 県高野連の新型コロナウイルス感染防止対策要領では、学校関係者から感染者が出た場合、臨時休校となり、生徒と教員は大会に参加できないと定める。

 米子松蔭は春季県大会の優勝校。今大会は第1シードで優勝候補だった。チーム初戦の2回戦を翌朝に控えた16日深夜、学校関係者1人の感染が判明。試合開始前に、部員や顧問が感染者や濃厚接触者でないことを公的に証明する時間がなく、米子保健所など関係機関と協議を重ね、辞退を判断した。18日に高野連に出場を嘆願した。