カフェバー「MAHORA」をオープンした河野弘さん(右)と妻の涼さん=大田市温泉津町温泉津、なかのや旅館
カフェバー「MAHORA」をオープンした河野弘さん(右)と妻の涼さん=大田市温泉津町温泉津、なかのや旅館

 1935年創業の「なかのや旅館」(大田市温泉津町温泉津、河野次郎代表)が温泉津温泉街に新風を吹き込んでいる。松江市の老舗旅館で修業した跡継ぎが妻と共にUターンし、経営に参加。他の旅館の宿泊客も利用できるカフェバーを6月、館内にオープンし、夜の街歩きを促している。地元の魚を使ったメニューや地酒、地ビールも提供し、地域の食の魅力も発信している。

 河野代表の次男で、皆美館(松江市末次本町)で6年間修業した弘さん(32)と、妻・涼さん(29)が昨年4月にUターン。温泉街の宿泊客が夜を楽しめる場所が少ないのを打開しようと、館内の応接室を改修した食事スペース(26平方メートル)の一角にカフェバー「MAHORA(マホラ)」を開設した。洞窟をイメージした色使いとデザインが異空間を演出する。

 接客は飲食店勤務の経験がある涼さんが担当し、弘さんは地元で水揚げされた旬の魚の刺し身、煮穴子などを調理する。地元酒蔵の若林酒造(有)(大田市温泉津町小浜)の日本酒や、特産品として定着しつつある温泉津ビールとゆのつエールも提供し、利用客の交流も促す。

 弘さんは「温泉津温泉のファンを増やすのが大事。街全体の魅力づくりにつなげたい」と力を込めた。