サヨナラ勝ちに喜ぶ米子松蔭野球部=米子市車尾、どらドラパーク米子市民球場
サヨナラ勝ちに喜ぶ米子松蔭野球部=米子市車尾、どらドラパーク米子市民球場

 第103回全国高校野球選手権鳥取大会に曲折の末、出場した米子松蔭が21日、どらドラパーク米子市民球場(米子市車尾)で2回戦の再試合に臨み、劇的な逆転サヨナラ勝ちを収めた。一度は出場辞退となった選手はグラウンドに立つ喜びを味わい躍動した。再試合を受け入れ好ゲームを演じた境にも称賛の声が上がった。
      
 米子松蔭は春の鳥取県大会で優勝し、今大会は第1シードで優勝候補。出場辞退後、インターネット上を中心に救済を求める声が広がり、再出場の後押しになった。待ち望んだ試合に、米子松蔭の西村虎之助(こうのすけ)主将(17)は「全国からの応援に応えたいと思って臨んだ」という。

 試合終了後に境の井上翔太主将(17)から「甲子園に行ってくれ」と声を掛けられたといい、「境の思いも胸に甲子園に出場し、日本一を目指す」と力強く誓った。

 試合は相手にリードされ追う展開。米子松蔭の塩塚尚人監督(29)は「選手に諦めるなと伝えた。その気持ちが結果につながった」と語った。再出場までの経緯を振り返り「日本中の皆さんの応援と、境が試合を受け入れてくださったおかげだ。周りに感謝して生きていかなければならないと改めて感じた」と謝意を繰り返した。

 試合結果を伝えるネットニュースのコメント欄には「境にも拍手を」などとたたえる声が相次いだ。足立泰則監督(41)は「再試合があった場合を想定して準備をしていた。第1シードに勝たせてやりたかったが、選手はよくやってくれた」とねぎらった。