鮮やかな色使いの作品を見る河井一喜さん=松江市末次本町、くらしの器森脇
鮮やかな色使いの作品を見る河井一喜さん=松江市末次本町、くらしの器森脇

 安来市出身の陶芸家・河井寛次郎の流れをくむ、大津市の河井一喜さん(53)の作品展が松江市末次本町、くらしの器森脇で開かれ、生活を彩る陶器約200点が来場者を楽しませている。10日まで。入場無料。

 河井さんは河井寛次郎の兄のひ孫に当たり、寛次郎に師事した父・河井久さんの跡を継いだ。大津市の猿子田窯で用の美を追求した食器を製作している。

 展示品のうち、カップの側面をかんなで削った箇所に、青色を出せる呉須(ごす)や赤色の辰砂(しんしゃ)など4種の釉薬(ゆうやく)で色鮮やかに仕上がった「いろどり鎬(しのぎ)」が特徴的。細かい手仕事が光る。

 寛次郎を感じさせる呉須を丁寧に塗って完成させた青色のカップなど、食器が目を引く。河井さんは「生活になじむ陶器をぜひ手に取ってほしい」と話した。(林李奈)