【邑南】島根県邑南町中野にあった余勢(よせ)城の歴史を伝える活動に取り組む住民団体が城の御城印を制作した。城跡の遠景や、城主の戦国武将、多胡辰敬(ときたか)(1497~1562年)の絵を載せている。町内のショッピングセンターと地元の郵便局で販売する。
辰敬は戦国大名・尼子氏の家臣で、余勢城や岩山城(大田市久手町)の城主を務めたとされる。大田市観光協会が今春、岩山城の御城印を発売。邑南町中野の住民でつくる余勢城跡を守る会(中山光夫会長)が、余勢城の存在や辰敬の功績を広く知ってもらおうと御城印を制作した。
デザインは辰敬の生涯をまとめた漫画を描いた同町出身の漫画家に依頼した。はがきサイズで、余勢城の名称と遠景が描かれたものと、辰敬に加え同じく城主を務めた弟の正国の姿が描かれたものの計2種類を制作した。多胡氏と尼子氏の家紋も描かれている。
いずれも1枚100円。中山会長(76)は「御城印を通して地域の歴史をいろいろな人に知ってほしい」と話した。(吉野仁士)