夏の甲子園をかけた島根大会で投げる原暁(2016年7月)
夏の甲子園をかけた島根大会で投げる原暁(2016年7月)

 夏の全国高校野球島根大会は、益田東、大社、浜田、石見智翠館の4強が出そろい、佳境を迎えた。炎天下の激戦が続き、投手陣をはじめ、選手の疲労もピークに近づいている。ここからの準決勝、決勝をいかにして乗り切るか。2016年夏の島根大会で出雲高校のエースとして11日間で5試合に登板し、甲子園出場を決めた本紙記者の原暁(さとる)が当時を振り返り、疲労や熱さ対策について語った。(Sデジ編集部)
 

2016年夏の原の登板試合とイニング数
・1回戦  7月14日 出雲5-0江津 8回
・2回戦  7月17日 出雲2-1益田 7回2/3
・3回戦  7月19日 出雲10―1浜田商(※7回コールド) 登板なし
・準々決勝 7月21日 出雲4-3益田東 8回2/3
・準決勝  7月23日 出雲4-3大社 3回2/3
・決勝   7月24日 出雲6-1立正大淞南 9回

▼仲間と温泉へ
 当時は準々決勝が終わった後、1日休養日があり、準決勝と決勝が連戦でした。出雲は準々決勝で益田東と対戦し、逆転サヨナラで勝利しました。試合直後は、サヨナラ勝ちの高揚感であまり疲労を感じなかったのですが、翌朝起きると、肩がかなり張っていたのを覚えています。

 このため、休養日は午前中、軽く汗を流す程度に動いてストレッチをし、午後からは整体と温泉に行き、リラックスして過ごしていました。温泉には他の部員たちと一緒に入り、団結力を高めました。当日はよく眠れ、肩のコンディションは決して良くはなかったのですが、変化球を低めに集める打たせてとる投球で、準決勝と決勝を投げ切ることができました。

夏の大会で、マウンドで捕手と話す原(右)



 大事な戦いを控え、休養日に何かしたい気持ちは痛いほど分かりますが、体は確実に疲れています。体を休めることを最優先すべきだと思います。練習は早めに終わると思うので、後は、仲間と温泉に行ったり、読書したりと自分が一番リラックスできる状況をつくることをお勧めします。注意点としては昼寝をしないこと。昼寝をすると、夜眠れなくなり、緊張と相まって睡眠の質が落ちる可能性があります。

 練習では水分補給、塩分補給を徹底し、補食をたくさん食べることを意識してください。自分は休憩中、当時流行していた「おにぎらず」をオレンジジュースと一緒に、ひたすら食べていました。チーム全体でも、疲労がたまらないよう、アミノ酸を補給するドリンクを練習前、練習中、練習後、そして寝る前も飲むようにしました。結果的に大会期間中、誰一人足がつったりしませんでした。

 試合中にも疲労を防ぐ対策はたくさんあります。イニング間、氷のうで首元を冷やしたり、氷と水を入れたバケツの中にタオルを入れ、顔を拭いたりするだけでも全然違いますよ。バナナなど補食や栄養補給も忘れずに。

▼休養日、有意義に使うには
 今大会は準々決勝と準決勝の間に2日間、そして新たに決勝と準決勝の間に1日の休養日が設けられました。毎年、暑さが厳しくなっているので、熱中症や怪我をしやすい状況です。現に今大会も毎日のように選手治療で試合が中断しています。実は、自分も決勝で投げ終わった後、取材を受けている時に一気に体がだるくなり、頭がクラクラし、熱中症で病院に運ばれました。休養日が設けられたのはとても良いことだと思います。

 選手には、自分本来の力を発揮するためにも有意義に使ってほしいです。自分たちは、データミーティングを行って、相手校の特徴を細かく分析したり、どういった戦いをするか話し合ったりしました。体を休めつつも、事前にどんな戦いをするかしっかり想定して、当日スムーズな試合運びができるようにする準備が大切です。これまでの戦いぶりも整理し、冷静な思考で試合に臨んでほしいです。

 あと2勝で甲子園となれば、否が応でも大舞台が頭をよぎります。甲子園に行きたいと思うことは大切ですが、それを実現するために目の前の試合をどうやって戦うか、何を準備して臨むかを考える方がより大事です。今できる最大の準備をし、思いっきりのびのびとプレーしてください。