「八百屋カフェ」をオープンした岡田さつきさん=松江市白潟本町、しらかたBASE
「八百屋カフェ」をオープンした岡田さつきさん=松江市白潟本町、しらかたBASE

 元松江市地域おこし協力隊の岡田さつきさん(61)=松江市黒田町=が26日、同市白潟本町の複合施設に「八百屋カフェ」をオープンした。新規農家が少量から販売できて、地元産の野菜を買ったり、食べたりして交流が生まれる場にしようと意気込んでいる。

 岡田さんは東京都内で会社員として働いた後、定年を前に古里の松江にUターンした。2021年4月から3年間、地域おこし協力隊として農家を応援する店の運営に取り組んだ。活動を通じて「売り場に困る新規農家を応援したい」との思いを強くした。

 店は3階建てビルを改修した複合施設「しらかたBASE」の1階。体づくり教室や松江商工会議所の出先相談所なども入る新たな交流拠点に店を構えた。

 野菜は松江市を中心に約10軒の個人農家から仕入れる。旬の野菜や市内でも買える場所が少ない、黒田セリや秋鹿ゴボウ、津田カブといった伝統野菜の販売も計画する。近所の高齢者がせっかく買った野菜を余らせないように、量り売りも始める予定。

 カフェでは野菜をふんだんに使った「八百屋ランチ」、大豆ミートを使ったガパオライスなどの料理を提供する。

 カブや大根、サツマイモなどを納入した松江市の農家、野津武司さん(32)は「スーパーとは違う客層が来ると思う。変わり種の野菜も並べたい」と期待した。岡田さんは「地元の人や健康を気遣う人がほっとできる場所にしたい」と話した。

 八百屋カフェ「rooot(ルート)」の営業時間は午前11時~午後6時。カフェのラストオーダーは同3時半まで。日、月が定休。(森みずき)