優勝が決まり野球部員がメガホンをたたいて喜ぶ石見智翠館スタンド=出雲市大社町北荒木、県立浜山球場
優勝が決まり野球部員がメガホンをたたいて喜ぶ石見智翠館スタンド=出雲市大社町北荒木、県立浜山球場

 島根県立浜山球場であった29日の第103回全国高校野球選手権島根大会決勝は、石見智翠館がノーヒットノーランで有終の美を飾った。新型コロナウイルスの感染拡大で入場が制限される中、マスク姿の応援団が青と緑のメガホンを揺らし、2大会連続となる2年ぶりの甲子園出場を喜んだ。 (松本直也)

 スタンドはコロナの感染防止対策で、野球部員以外の入場は学校関係者や部員の保護者など200人以内に限定。三塁側には保護者やOB160人と部員100人が駆け付けた。

 初回からボルテージを上げた。無死一、二塁で岡田優駿選手が中前に先制適時打を放つと、父親の健さん(54)=広島県三原市=は「サイクルヒットを狙え」と興奮。野球部3年の応援団長・大野拓さん(17)も「うちの打線はこんなもんじゃない」と期待を膨らませた。

 追加点を挙げて試合の大勢が決まった後、視線はノーヒットピッチングを続けるマウンドの山崎琢磨投手に注がれた。

 最終回、大社を二死まで追い詰めると、総立ちに。最後の打者をアウトにした瞬間、喜びを爆発させた。快挙を遂げた山崎投手の母須美さん(47)=大阪府大東市=は「まさかのノーヒットノーラン。よく頑張ったねと伝えたい」と目を細めた。

 トップバッター関山和選手の兄で、2年前に甲子園に出場した時の主将だった愛瑠斗(あると)さん(19)=大阪府高槻市=は「甲子園ではプレッシャーを背負わなくていい。楽しめば結果はついてくる」と飛躍を願った。