松江テルサ前から望むJR松江駅北口。一畑百貨店(右奥)の閉店から14日で1年を迎える=6日午後、松江市朝日町
松江テルサ前から望むJR松江駅北口。一畑百貨店(右奥)の閉店から14日で1年を迎える=6日午後、松江市朝日町

 暦の並びで例年より遅い仕事始めとなった6日、JR松江駅前の松江テルサであった松江市民新年賀会に参加した。

 来場者は300人を超え、インフルエンザの感染が気になるほどの盛況ぶり。今年の干支(えと)「巳(み)」にちなんで、蛇が脱皮して再生することにひっかけた「ダッピー(ハッピー)ニューイヤー」という上定昭仁市長のあいさつを聞き、日頃の取材相手との顔合わせを済ますと、足早に会場を後にした。

 すると目の前に広がったのが、会場とは対照的に閑散とした光景。小雨交じりだったこともあり人影はほとんどなく、役目を終えた一畑百貨店の建物がさみしく残っていた。名残を惜しむ市民らが駆け付けた閉店から14日で1年を迎える。

 駅前周辺の在り方について協議する市の官民組織「松江駅前デザイン会議」は昨夏、百貨店跡地に商業機能を備えた複合施設を整備するデザインの素案をまとめた。市有の松江テルサは撤去し、広場の設置などを想定するものの、市議会から撤去方針に「待った」が。最終的に、昨年内にまとめる予定だったデザイン案の完成は先送りされた。

 事情はあるにせよ、気になるのがスピードの遅さ。そもそもデザイン案は具体的な整備計画ではなく計画策定に向けた指針の位置付けで、その通りになる保証はない。いつまで閑散とした駅前を放置しておくのか。県都の玄関口こそ一日も早い“脱皮”が求められている。(健)