総務省は30日、ふるさと納税による2020年度の寄付総額は19年度の1・4倍に当たる6724億9千万円で、過去最多を更新したと発表した。寄付件数も1・5倍の3489万件で過去最多となり、制度の利用が広がっていることを裏付けた。新型コロナウイルス感染拡大に伴う「巣ごもり消費」や、地場産業の支援を目的とした寄付の増加も要因とみられる。
寄付総額は増加傾向が続き、これまでの最多は18年度の5127億1千万円。19年度は4875億4千万円と減少したが、今回、2年ぶりに増加に転じた。
自治体別の寄付額トップは、宮崎県都城市の135億2500万円で4年ぶりに返り咲いた。北海道紋別市が133億9300万円、同根室市が125億4600万円で続いた。19年度まで3年連続トップだった大阪府泉佐野市は上位20位に入らなかった。
都道府県別に見ると、島根県が43億9500万円、鳥取県が48億1900万円だった。最多は北海道の975億800万円。鹿児島が398億2千万円、宮崎が365億4400万円と続いた。
一方、寄付した人の翌年度の住民税が軽減されることに伴う21年度の減収規模は全国で4311億円に達し、過去最多となった。横浜市や名古屋市、大阪市など大都市からの財源流出が目立つ。21年度に住民税軽減が適用されるのは552万人で、20年度を138万人上回った。
ふるさと納税は、高額返礼品による寄付獲得競争が過熱したことを受け、19年6月から返礼品を「寄付額の30%以下の地場産品」に限定する新制度に移行。20年度寄付額に占める返礼品調達費の割合は全国平均で26・5%と、19年度に比べ1・7ポイント低下。事務費、送料などを加えた経費全体の割合は45・1%で、残り54・9%が寄付先の自治体の実収入となる。









