2024年8月、フォーク歌手の高石ともやさんが82歳で亡くなった。各地の新聞には「ヒット曲『受験生ブルース』で知られる」とのお悔やみ記事が掲載された。実はこの曲には「受験生のブルース」という元になった曲がある。1967年に当時高校生だった中川五郎さんが手がけたものだ。2024年11月、京都市東山区の円山公園音楽堂で開かれた高石さんのお別れの会。中川さんは「本当は歌いたくないんだけど」と苦笑しながら、高石さんバージョンの「受験生ブルース」を歌った。なぜ二つの曲が生まれたのか。その問いをたどると、日本のフォークの歩みが浮かび上...