人形作家の野﨑千愛季(ちあき)さん(19)=松江市在住=の創作人形展が出雲市大津町、出雲弥生の森博物館で開かれている。緻密な造形描写による生命力あふれる作品65点が来場者を引きつけている。2月17日まで。
野﨑さんは2021年に人形制作を始め、翌年の「美術工芸甲子園」で大賞受賞、23年11月には日本最大級の公募展「日展」に初出品して入選するなど高い評価を受けている。高校を卒業後はフリーで創作活動に励む。
作品展は「土薫る人形たち」と題し、石粉粘土を使い立体造形を始めた初期の人形や数々の受賞作をはじめ、頭の中に浮かんだイメージ画や制作過程が分かるパネルなども展示した。野﨑さんが作った鹿の面もあり、来場者は自由にかぶることができる。
日展入選作「命のいろ」は炭鉱労働者が地上に出て、青空と太陽の光を浴びる姿を表現した。足元は炭で黒々としているが、太陽に向かって大きく手を広げ、全身で光を浴びている姿が美しい。
野?さんは「必死に生きている人間の生命力を見てほしい。命とは何か、生きるとは何かを常に見つめながら今後も表現活動を続けていく」と話した。
午前9時~午後5時。入場無料。火曜日休館(祝日は開館し翌日休館)。(佐藤一司)