昼営業を始めたバーでカウンターに立つ川上亮さん=米子市角盤町2丁目、デスペラード
昼営業を始めたバーでカウンターに立つ川上亮さん=米子市角盤町2丁目、デスペラード

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う営業時間の短縮要請で打撃を受ける米子市中心部の飲食店が、売り上げの確保に知恵を絞る。昼営業を始めるバーや「昼飲み」客を狙うビアホールなど、解除後も見据えてあの手この手を繰り出す。

 夜間営業のバーやスナックは時短要請を受けた7月21日から、多くの店で休業状態が続く。バー「デスペラード」(角盤町2丁目)は開店時間を繰り上げ、不定期でランチ営業も始めた。オーナーの川上亮さん(41)は「店を閉めるとお客さんの信頼を裏切ってしまう」と決断。店側も来店客側も感染対策を徹底した上で営業し、常連や休業中の飲食店従業員らがノンアルコールのドリンクなどを楽しむ。

 カフェレストラン「オンザテーブル」(角盤町1丁目)は、市内で感染者が急拡大した7月中旬以降、肉料理が食べ放題となる「肉食ビアホール」の予約キャンセルが140人以上出た。売り上げの半分を占める人気企画だけに痛手は大きく、対策として午後5時半だった食べ放題の受け付け開始時間を午前11時半に前倒した。利用客が「昼飲み」に切り替えるほか、主婦層をターゲットにソフトドリンクだけのプラン投入も検討する。吉岡佑馬店長(27)は「時短要請が終わってからの需要も取り込みたい」と話す。

 ボクシング女子フェザー級で快進撃を続ける市出身の入江聖奈選手をはじめ、熱戦が連日繰り広げられる東京五輪。イタリアンレストラン「ペントラ・マンマ」(加茂町2丁目)は期間限定で「おうちバルセット」の販売を始めた。日替わりでチーズや生ハムなど6種類を詰め合わせる。

 門脇真由子専務(43)は同様に影響を受ける納入業者を支えるため、食材の回転率を上げる必要があるとし「家で五輪を観戦しながら楽しんでほしい」と売り込む。  (岩垣梨花)