バレンタインのチョコレート商品が並ぶJU米子高島屋=米子市角盤町1丁目
バレンタインのチョコレート商品が並ぶJU米子高島屋=米子市角盤町1丁目

 2月14日のバレンタインデーに向け、商戦が本格化している。チョコレート原料のカカオの価格が高騰しており、価格は値上がり傾向。各店がチョコレート以外の商品もそろえて選択肢を広げるなどして集客している。

 JU米子高島屋(米子市角盤町1丁目)は、バレンタインイベント「Amour du Chocolat!(アムール・デュ・ショコラ)」を1月下旬、店内特設会場で始めた。

 フランスや日本のシェフのチョコの詰め合わせをはじめ、人気のサツマイモを使った商品など国内外135ブランドをそろえた。

 価格は3千円前後が中心で、前年比15%から20%アップ。異常気象などでカカオの原産国アフリカの収穫量が減少しているためで、国際価格の指標となるロンドン市場の先物価格は2年前の3倍に高騰している。

 米子高島屋ではチョコ以外に地元の和菓子やジェラート、人気ベーカリー店の商品なども並べ集客する。

 洋菓子店「パティスリーガレット」(松江市学園1丁目)は、「ボンボンショコラ」やシロップに漬けたオレンジにチョコをまとわせた「オランジェット」などを販売する。材料のチョコやココアの価格は前年の約2倍に上昇しており、ボンボンショコラの場合で約1割高い1個230円から260円に設定した。

 武田竜一社長は「客の購買意欲を維持するため、100%の価格転嫁は難しい」と明かす。材料高騰を受け、チョコの使用量が多いボンボンショコラなどの販売は、25年はバレンタインを挟む1月中旬から3月までの期間限定とし、収益を確保するという。

(井上雅子)