飲料容器をペットボトルからアルミ缶へ変える動きがじわじわと広がっている。「無印良品」を展開する良品計画が4月に切り替え、ダイドードリンコも商品を拡充した。プラスチックごみによる海洋汚染問題などを背景に、アルミのリサイクル特性が見直されているためだ。

 良品計画はお茶や炭酸飲料など全12商品の容器をアルミ缶に変更した。同社が注目したのが同じ製品に繰り返し再生できる「水平リサイクル」の比率で、24・3%のペットボトルに対し、アルミ缶は71・0%と高い。

 ペットボトルをペットボトルに再生を繰り返すと強度が低くなるため、食品トレイなどに生まれ変わる例が多い。

 アルミ缶は遮光性が高く、光の影響で中身が劣化しにくく、食品ロス削減につながることも良品計画の背中を押した。炭酸飲料の賞味期限は90日延び270日になった。一目で中身が分かるペットボトルに対し、アルミ缶でも原料のイラストを描いたり、中身に合わせて缶の帯の色を変えたりと工夫した。

 ダイドードリンコは今年、コーヒーやスポーツ飲料など6商品でアルミ缶を採用した。同社の自動販売機を置く企業の要望を受け、循環型社会に向けた取り組みの一環として導入した。