坂道でスリップし、動けなくなった自動車を押す観光客=7日午前10時20分ごろ、出雲市大社町杵築南(画像の一部を加工しています)
坂道でスリップし、動けなくなった自動車を押す観光客=7日午前10時20分ごろ、出雲市大社町杵築南(画像の一部を加工しています)

 冬型の気圧配置が強まり寒気が流れ込んでいる山陰両県は7日、一部で大雪警報が発令されるなど積雪や強風で一部の公共交通機関に影響が出た。松江、鳥取両地方気象台は9日にかけて大雪の可能性があるとして注意を呼びかけている。

 両地方気象台によると島根県内の7市町と、鳥取県の境港市、日吉津村を除く全域に大雪警報が出た。7日午後5時時点の積雪深は島根は赤名(飯南町)69センチ、横田(奥出雲町)50センチ、瑞穂(邑南町)40センチ、松江2センチなど。鳥取は鳥取26センチ、大山(大山町)159センチなど。

 風も強く、最大瞬間風速は浜田27・6メートル、西郷岬(隠岐の島町)27・3メートル、出雲27・2メートルなど。塩津(大山町)26・4メートル、湖山(鳥取市)20・6メートルなど。

 大雪や強風で公共交通のダイヤが乱れた。JR西日本は鳥取-益田間で午後2時以降、特急を運休。普通列車は山陰線鳥取-浜坂間と西出雲-大田市間、益田-東萩間で一部運休した。

 空の便は、出雲空港の羽田便3便、福岡、名古屋(小牧)両便の1往復2便が欠航した。萩・石見空港の羽田便1往復2便、隠岐空港の全便、鳥取空港の羽田便7便、米子空港の羽田便3便も欠航した。隠岐汽船は海上しけのため全便が終日欠航した。

 中国横断道岡山米子線上りの蒜山インターチェンジ(IC)-江府IC間では大型車2台が自力走行できなくなり、最大2キロ渋滞。出雲市大社町杵築南の神門通りでは、積雪で上り坂を走行できなくなった車両を観光客が押していた。

 両地方気象台によると、8日も警報級の大雪になる可能性があり、公共交通機関に影響が出る。

 JR西は8日、出雲市-岡山間の特急やくものほか、新山口-益田間の特急スーパーおきが終日運休。鳥取-米子間の特急も運休し、午後に再開見込み。普通列車は木次線の木次-出雲横田間などで運休。山陰線浜坂-米子間、山口線益田-宮野間は始発から運転を見合わせる。

 空の便は隠岐空港の出雲便2便と鳥取空港の羽田便1便が欠航する。

 両地方気象台は、8日午後6時までの24時間降雪量は多い所で島根は平地15~20センチ、山沿い40センチ。鳥取は平地50センチ、山沿い70センチと予想する。   (取材班)