出雲空港(出雲市斐川町沖洲)で鳥が航空機に衝突する「バードストライク」の衝突率が2023年、全国で最も高かったことが分かった。11年以来で、詳しい理由は明らかになっていない。県は従来のパトロールに加え、夜間の監視態勢を強化する。
バードストライクは、エンジンや車輪をはじめ、航空機の飛行に重要な部位で発生した場合、墜落など深刻な事態を引き起こす恐れがある。出雲空港では25年1月、日本航空(JAL)福岡-出雲便で翼の一部が損傷し、欠航が生じた。
衝突率は離着陸が1万回当たりの衝突件数を示す。国土交通省が年間1万回以上離着陸がある38空港を対象に集計すると、23年は、出雲18・0件(衝突件数24件)▽北九州15・0件(25件)▽宮古12・8件(24件)▽新石垣11・2件(30件)▽岡山10・4件(11件)-と続いた。
出雲は10年に32・0件(衝突件数39件)、11年は34・7件(40件)と2年連続で最高を記録。国交省が専門家を派遣したほか、県は離着陸時のパトロールや、スターターピストルによる音での威嚇、運用開始前の朝に狩猟免許取得者が実弾で防除するなどの対策を実施している。
宍道湖に面し、周辺は近年、渡り鳥の大群が目撃されている。23年に衝突したのはスズメやヒバリ、トビ、カモメ、カモなど種類はさまざまで、増加理由は分からないという。24年は12件で23年から半減した。
24年12月に179人が死亡した韓国の旅客機事故は、バードストライクを起因とした可能性が指摘されており、21日の県議会本会議一般質問で福井竜夫議員(自民党議員連盟)が対策を質問。今岡幸延土木部長は「赤外線スコープを導入し、夜間の監視態勢を強化する」と答えた。 (曽田元気)












