練習でタンデム自転車に乗る新宮愛菜さん(左)と榎本加奈子さん=出雲市姫原町
練習でタンデム自転車に乗る新宮愛菜さん(左)と榎本加奈子さん=出雲市姫原町

 山陰道出雲・湖陵道路と湖陵・多伎道路の開通記念プレイベントの一環で22日にあるサイクリングに、目の不自由な人たちが2人乗りのタンデム自転車で参加する。サポートする施工業者の社員と練習を重ね、当日を心待ちにしている。

 視覚に障害があっても風を切って自転車に乗れる機会を設けようと、島根県視覚障害者福祉協会の佐藤昌史会長が企画。自らも勤務し、道路の施工業者でもある中筋組(出雲市姫原町)社員の協力を得て、イベントへの参加を決めた。

 当日は佐藤会長のほか、同協会の藤原侑子さん(34)、いずれも県立盲学校2年の岡桐生(とうき)さん(17)と新宮愛菜(まな)さん(17)が中筋組の社員とペアを組んで乗る。

 協力する社員が視覚障害者へのサポート法を学び、このほど同社の社屋周辺で練習した。タンデム自転車の前側でペダルをこいだ中筋組の榎本加奈子さん(33)は「ゆっくり進みます」「右に曲がります」と、後ろに座る新宮さんに声をかけながら息を合わせてこいだ。

 榎本さんは「自分たちが施工した道を一緒に走れる機会ができてうれしい」と笑顔で話し、岡さんは「山陰道を自転車で走ることはないので楽しみだ」と思いを巡らせた。 (片山皓平)