テレビなどでおなじみの気象予報士・森朗さんが16日、松江市内で「気象災害と防災~山陰に生きる私たちの備え」と題して講演した。日本の気温が100年当たり1・4度上昇する世界でも桁外れの状況を示し、熱中症対策などの体調管理の重要性を強調した。
森さんは、世界の気温が100年当たりで0・77度上昇しているにもかかわらず、日本は1・4度に上るデータを紹介。過去45万年で最も急激に上昇したときでも0・08度だったとし「ものすごく急なペースだ」と指摘した。
国内では最高気温40度以上が2000年代以降、数多く観測される状況を「命に関わる」と訴え「暑いだけで命が取られ、もはや災害。エアコンを活用してほしい」と注意を促した。
今夏は太平洋高気圧にチベット高気圧が覆いかぶさる形になるとし「布団2枚重ねだ。海水温も高く、湯たんぽを抱えているような感じになる」と酷暑を予測。「くれぐれも天気の変化に気を付け、無事に過ごしてほしい」と呼びかけた。
講演は山陰東急会が主催し、約250人が聴いた。(新藤正春)