寺社の建築、修復の技術を持つ宮大工と宮板金の職人から木工や銅板細工を学ぶ教室が16日、島根県美郷町内であった。親子ら約40人が古色塗りや銅板打ち出しなどを体験し、日本の伝統技術に触れた。
寺社建築や文化財建造物の修理を手がける大田市の宮大工「石原建築」と、寺社の屋根を銅板でふく技術を持つ米子市の宮板金「纏(まとい)屋和田板金」の計6人が講師を務めた。
古色塗りは文化財を修復する際、古い木材に似た色を新しい木材に塗って修復箇所を目立たなくさせる宮大工の技法で、参加者は木の板に柿渋や、黒と朱の墨汁を混ぜたものを塗り込んでキャンドルシェードを作った。父親と参加した、地元の邑智小1年の烏田陽介さん(7)は「塗るのが大変だったけど上手にできた。お母さんにプレゼントしたい」と話した。
銅板打ち出し体験では、薄い銅板の裏側を棒でこすってしおりを完成させた。教室は、吾郷公民館と吾郷地域連合自治会が開き、3回目を迎えた。(佐伯学)