西尾邑次元知事の「百花為誰開」をテーマにした作品を紹介する中尾慶治郎副館長=鳥取県南部町下中谷、祐生出会いの館
西尾邑次元知事の「百花為誰開」をテーマにした作品を紹介する中尾慶治郎副館長=鳥取県南部町下中谷、祐生出会いの館

 鳥取県南部町下中谷、祐生出会いの館で「文芸の小径(こみち)」をテーマにした書道作品展が開かれている。漢詩や短歌などを個性豊かに表現した作品60点が並び、訪れた人を楽しませている。4月21日まで。

 文芸の小径は1987年の賀祥ダム完成を記念し、ダム湖畔に整備された。当時の西尾邑次鳥取県知事をはじめ、旧西伯町民らが寄せた文芸作品を刻んだ石碑111基が並ぶ。作品展は文芸の小径に関心を寄せてもらおうと、同館が初めて企画した。

 雑賀薔碩さんは西尾元知事が中国禅宗の教本「碧巌(へきがん)録(ろく)」から引用して石に刻んだ「百花為誰開」を取り上げた。伸びやかな筆遣いで、自然の雄大さとしなやかさを感じさせる。

 中尾慶治郎副館長は「忘れ去られそうになっている碑文をテーマにした。出品者それぞれの表現法や、額装も含めてさまざまな角度から楽しんでほしい」と話した。

 午前9時~午後5時。火曜休館。入館料は一般300円、高校・大学生200円、中学生以下無料。(中村和磨)