頭骨を基に復元した弥生人女性の復顔像=鳥取市青谷町吉川、鳥取県立青谷かみじち史跡公園
頭骨を基に復元した弥生人女性の復顔像=鳥取市青谷町吉川、鳥取県立青谷かみじち史跡公園

 鳥取県が20日、弥生時代の港湾集落だった国史跡・青谷上寺地遺跡(鳥取市青谷町青谷)で出土した頭骨を基にした女性の復顔像を公開した。男性復顔像「青谷上寺朗(かみじろう)」、少年復顔像「青谷来渡(らいと)」に続く3点目。男女と子どもがそろい、青谷に住んだ弥生人の姿がイメージしやすくなった。今後、名前の公募を検討する。

 国立科学博物館の協力を得て復元し、県立青谷かみじち史跡公園(同市青谷町吉川)に展示した。

 2000年度の発掘調査で見つかった頭骨の一つを基に復元し、頭骨から割り出した顔立ちはとがった口元がチャームポイント。頭骨の核DNA分析を基に太くて直毛の頭髪や濃い眉毛、二重まぶたといった特徴も反映した。母方は渡来人で、父方は不明。死亡時は30~40代とみられるが、上寺朗と同じく30歳程度との設定で製作した。

 史跡公園の浜田竜彦課長補佐によると、核DNA分析で女性と確定していた頭骨は頬の辺りより上しかなく、他に出土した下顎などの骨から同一人物を探して復顔像製作が可能になったという。

 浜田課長補佐は「土器や石器より面白いと思ってもらいやすいと思う。遺跡に興味を持つきっかけにしてほしい」と話した。

(桝井映志)