浜田ろう学校教諭の足立祥史(28)=松江市出身=は、世界の聴覚障害者のトップアスリートが競う世界デフ陸上競技大会で名をはせるスプリンターだ。日本代表メンバーの1人として臨んだ2024年7月の台湾大会男子400メートルリレーで、大会新記録樹立と金メダル獲得に貢献。本人には無音に近い感覚のトラックで戦うには、自分や仲間への信頼が原動力になる。(interviewer・宮廻裕樹)
#(中)一般学校で感じた「壁」
#(下)デフ陸上もっとメジャーに
信号機をランプ代わりに
3月中旬の浜田市陸上競技場(浜田市黒川町)での夜間練習。スタート地点から50メートルほど離れた競技場外の信号機が赤から青に変わった瞬間、猛然と走り始めた。100~400メートルを得意とし、100メートルの自己ベストは11秒00。
信号機を使った練習で脚を磨いてきた。というのもデフ陸上のスタートはピストルではなく、地面に置いた専用のランプを使う。信号機と同じ赤黄青の3色があり...