
―紙の良さを広める活動に取り組んでいますね。
印刷と出版を軸に、直接お客さまの考えに耳を傾け、地域の課題を解決したいと考えています。一般的にはペーパーレス化が進んでいますが、私たちは紙の素材にこだわった商品をつくっています。紙やインクの匂いなど五感を使って本を読む体験を提供しています。
―広告媒体としての紙の価値は。
交流サイト(SNS)など新たな媒体が次々と出ていますが、紙も多くの人が見る重要な手段であり、手堅い需要があります。その需要に応えていきたいと考えています。
―植林など自然環境とも向き合っています。
紙を扱うわれわれは、社内で森を大切にする意識を持つべきだと認識しています。木は育ちすぎると二酸化炭素(CO2)の吸収が悪くなるため、伐採して新しい木を植えることが大切です。森林保護は業界として重要だと感じており、活動の内容を地域に向けて発信していきます。

―冊子印刷オンラインショップを展開しています。
始動から2年目で、島根県外からの注文や問い合わせが急激に増えています。ただ経営的には苦戦していますので、改善策を練ります。
―地域とのつながりを重視しています。
地域に関わる出版に携わっており、密接に付き合っていきたいと感じています。昨年は社会貢献の一つとして、NPOしまね子ども支援プロジェクトのフードバンクにお米を贈りました。今年は雲南市内の田んぼを使って、地元の大学生や高校生向けに、米作り体験を開こうと思っています。
―働き方改革への取り組みは。
残業の削減に加え、年間休日を6日増やし、有給休暇が取りやすい環境を目指しています。正社員の取得率は、昨年は81%でした。デザインや印刷の職業に関心をもってもらいたいと、市内の高校で課題研究授業のお手伝いをしています。若い人たちが地元に残る環境を整えたいですね。


「夢・目標」を持って物事に取り組んでください。
全てをかなえることは難しいですが、一生懸命やったことがきっと次の目標や夢につながっていきます。若者が夢を追う姿は周りの人にも夢や希望を与えます。誰もが応援したくなるような人になってほしいです。
糸川和浩=島根県雲南市出身(57歳)2018年に現職に就任。
小学生の軟式野球を指導して36年になります。甲子園を夢見て真剣に野球に取り組む子どもたちと出会い、私自身も彼らとともに夢を追いかけながら指導を続けてきました。
これまでに指導した選手の中からは、楽天で活躍した福山博之元選手や、阪神の糸原健斗選手が誕生しました。野球だけでなく、さまざまな分野で活躍する教え子たちの姿に、私も多くの夢と刺激をもらっています。
